あなたは梅毒という性感染症を聞いたことがありますか。
近年、日本で梅毒の感染者数が急増しています。
2022年には、梅毒の感染者数が1万人を超えました。
1万人と聞いても、どれほど多いのかイメージしづらいかもしれません。
10年前の2012年、梅毒患者数は875人でした。
つまり、この10年間で梅毒患者はおよそ15倍に増加しました。
2023年は1万4千人以上とさらに増加しています。
全国梅毒患者数の推移
引用:政府広報オンライン
梅毒患者の急増には、SNSやパパ活が一因とされています。
今回は、梅毒について、そしてパパ活との関係について詳しく紹介します。

このページの筆者:青木風子
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梅毒とはどんな病気?
梅毒は、Treponema pallidum(トレポネーマ・パリダム)というバクテリアによって引き起こされる性感染症です。
性病感染はパパ活で起こるトラブルの一つです。
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主に性的接触を通じて感染し、妊娠中に母体から胎児へも感染する可能性があります。
梅毒は3つのステージに分類される
梅毒の症状は、一般的に3つのステージに分類されます。
初期ステージでは、感染部位に発疹や潰瘍が現れますが、痛みやかゆみは軽度です。
中期ステージになると、全身に発疹が広がり、リンパ節の腫れや発熱、疲労感が見られます。
適切な治療を行わないと、梅毒は潜伏期に入り、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
梅毒の第1期の症状
梅毒に感染してから約1か月間は、第1期とされます。
この時期には、リンパ節の腫れや、感染部位に小さなしこりが現れます。
しこりは痛みがなく、治療しなくても自然に消えることが多いため、感染に気付かないことが多いです。
梅毒の第2期の症状
感染後数か月が経過すると、第2期に入ります。
この時期には「バラ疹」と呼ばれる赤い花びらのような発疹が、特に手のひらや足の裏に現れます。
「バラ疹」は他の皮膚病と間違われやすく、患者が気付かないことも多いです。
また、発熱や関節痛などの症状も見られます。
第1期から第2期の梅毒は、感染力が強いため他人にうつすことが多いのが特徴です。
梅毒の第3期の症状
感染から2年以上経過すると、第3期に入ります。
この時期になると、皮膚や筋肉、骨、内臓にゴムのような瘤(ゴム腫)が現れます。
瘤は進行して周囲の組織を破壊します。
昔は「鼻が落ちる」と言われ、恐れられていた容貌の変化が起こるのがこの時期です。
また、感染から10年以上経過すると、末期梅毒と呼ばれます。
この段階では、脳や血管、神経にトレポネーマが侵入し、様々な機能障害や認知障害、進行麻痺を引き起こすことがあります。
大動脈瘤ができやすく、破裂すると突然死を引き起こす可能性もあります。
第3期以降の梅毒は、家事や身だしなみに無頓着になることが多く、周囲の人々を驚かせることもあります。
しかし、現在は第3期まで進行するケースはほとんどありません。
梅毒は治る病気なの?
梅毒は早期に診断して治療を開始すれば、完全に治る性感染症です。
しかし、進行すると治療が長引き、第3期以降になると治癒が困難になります。
発疹など異常を感じたら、早めに医療機関で検査を受けましょう。
梅毒の治療法とは?
梅毒の治療には、ペニシリン系抗生物質の飲み薬が使われます。
毎日薬を服用する必要があり、第1期なら2~4週間、第2期で4~8週間が服用の目安です。
治療費は3割負担で約2,500円になります。
他に筋肉注射での治療も可能で、こちらは1回投与で約1ヶ月の効果があります。
成人2期までの梅毒なら、1回投与で治療可能な方法です。
ただし、太い針でお尻に注射することになり、治療費も3割負担で約4,000円と割高。
医師とよく相談して、治療法を決めることが大切です。
梅毒は、治療開始後も定期的な追跡検査が必要です。
治療効果判定に採血を行うなど、身体への負担もあります。
医師の指示通り薬を服用すれば治る病気ですが、治るからと安心せず予防が重要です。
梅毒に効くワクチンはあるの?
梅毒には有効なワクチンがないため、予防が重要です。
感染力が強いので、十分に注意しましょう。
妊婦の女性が梅毒に罹患すると危険性が高い
妊婦が梅毒に感染すると、胎児に影響が及びます。
母子感染により、流産や死産、先天性梅毒児のリスクが高まります。
パパ活での性行為は控え、妊娠中は特に注意が必要です。
梅毒の感染経路とは?
梅毒は主に性的接触で感染します。
風俗やパートナーの浮気、マッチングアプリやSNSでの出会いもリスクとなります。
性行為を介して感染することが多いため、注意が必要です。
梅毒は近年増加傾向にあり、20代の女性にも感染者が増えています。
特にパパ活をしている場合は、感染リスクが高まります。
コンドームを使用することや、定期的な検査を受けることが重要です。
梅毒の症状には、痛みを伴わない皮膚の発疹や粘膜の異常があります。
放置すると、体内の重要な器官に影響を与える可能性があります。
早期発見と適切な治療が鍵です。
梅毒の流行が拡大している背景には、SNSやマッチングアプリの普及があります。
不特定多数との性交渉が原因となることが多く、感染リスクが高まっています。
感染が疑われる場合は、すぐに医療機関を受診し、早期の診断と治療を受けましょう。
パパ活に従事している女性は、特に性感染症のリスクが高いため、健康管理が重要です。
梅毒の予防には、コンドームの使用が有効ですが、完全に防げるわけではありません。
日常的な予防対策と定期的な検査を徹底しましょう。
梅毒の感染拡大を防ぐためには、正しい知識を持ち、自分自身を守る意識が大切です。
20代の女性にも感染者が増えているため、注意が必要です。
パパ活をする際は、感染リスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。
社会問題ともなっているパパ活での梅毒感染リスク
新型コロナの影響でバイトや収入が減少したおかげで、パパ活をする人が増えました。
それに伴って、パパ活女子の中でも梅毒の感染者が増加し、特に20代の女性の感染リスクが高まっています。
患者の中でも20代の若い女性が急増中
梅毒患者の内訳を見ると、20代の女性患者が急増していることがわかります。
2022年のデータでは、男性が6割、女性が4割の割合でした。
この男女比を見ると「女性の方が少ないのか」と思うかもしれませんが、女性の感染者のうち約7割が20代という点に注目すべきです。
梅毒は若者だけの病気ではありませんが、女性の場合、20代に特に多いことが分かります。
特に20歳から24歳の若い女性が多く、パパ活での性行為が一因となっている可能性があります。
気軽に出会えることは良い反面、リスクも伴うことを認識することが大切です。
もう一つの原因として、外国人の存在が挙げられます。
2015年にはインバウンドの数がアウトバウンドを逆転しました。
日本国内の梅毒患者数の推移を見ると、2015年前後から患者数が急増しています。
一部の外国人が海外から梅毒を持ち込み、風俗店で働く女性に感染し、その店を利用した男性客に拡散するという説もあります。
日本では長引く不況により、経済的な理由から風俗で働く女性も増えています。
パパ活での感染リスクを防ぐためのポイント
梅毒の危険性を認識してパパ活をやめたいと思っても、お金が必要なため、現実的には難しいという女性も多いでしょう。
梅毒には治療法があり、予防も可能ですが、見逃すと危険です。
梅毒は見逃されやすい病気で、異変に気づいたときにはかなり進行していることもあります。
正しい知識がなければ気づかないことが多く、発見が遅れることもあります。
では、予防方法を解説していきます。
予防策①不特定多数の人と体の関係を持たない
当たり前ですが、性交渉の相手が多ければ多いほど、梅毒や他の性病にかかる確率が高くなります。
仕事で男性の相手をする場合は難しいですが、できるだけ特定のパートナーとだけ関係を持つことが重要です。
また、避妊していても妊娠する可能性はゼロではありません。
性病以外にも、自分の身を守るために安易な性交渉は避けるべきです。
予防策②定期的に検査を受ける
会社員の場合、年に1回健康診断を受けます。
歯科検診も定期的に行います。
梅毒や性病についても、定期的に検査することで早期発見が可能です。
梅毒の検査をするには、婦人科や泌尿器科に行くのがおすすめです。
検査だけなら匿名で受けることもできます。
予防策③病気に対して正しい知識を身につける
病気についてなんとなくの知識やイメージだけで判断すると、気づいたときには手遅れになることもあります。
病気の種類や予防法、初期症状を正しく理解し、適切に対処しましょう。
もし梅毒を見逃してしまったらどうなる?
梅毒は早期発見すれば完治しますが、進行すると治療が難しくなります。
自分だけでなくパートナーにも感染させるリスクがあります。
命に危険が及ぶこともあるので、甘く考えないことが大切です。
もし見逃してしまったらどうなるの?
梅毒は進行状況によってことなります。
すでにお伝えしているように、梅毒は早期発見すれば完治します!
しかし、進行が進んでしまうと治療が難しくなってしまいます。
さらに自分だけではなく、パートナーがいる場合、大切な人に病気をうつしてしまうかもしれません。
命に危険が及ぶことも十分ありますので、甘く考えないことが大切です。
梅毒かも?そんなときの対処法
梅毒は診察と血液検査で判定できます。
症状が出ている場合、女性は婦人科、男性は泌尿器科へ行きましょう。
時間が取れない人や、病院に行くのが気が引ける人、症状がなくても確認したい人は、各県の保健所で匿名で検査が可能です。
検査の詳細は地域によって異なるため、保健所のホームページで確認してください。
参考:保健所検索サイト
https://www.hivkensa.com/kensa/search
参考:梅毒に関するQ&A|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/syphilis_qa.html
また、無料ではありませんが、自宅でできる検査キットもいろんな会社から販売されています。
そちらも検討してみてください。
参考:性病検査キット
https://www.std-lab.jp/
梅毒以外の性病について
今回は梅毒について紹介しましたが、性的な接触でうつう病気は梅毒だけではありません。
性的接触でうつる病気の例
- HIV感染症(エイズ)
- 性器クラミジア感染症
- 性器ヘルペス
- 性器カンジタ
- A型肝炎
- B型肝炎
- 赤痢アメーバ症
たとえばヘルペスと聞くと唇に現れるイメージがありますよね。
でもヘルペスになった人がオーラルセックスをすることで、相手にうつしてしまうこともあるのです。
性病セルフチェック
こういう症状がある人は、性病の可能性があるのでセルフチェックしてみては?
女性の性病チェックポイント
- おりものが多い
- かゆみがある
- 水ぶくれや湿疹がある
- 赤みが強い
- 匂いがきつい
- 下腹部の痛み
男性の性病チェックポイント
- 性器にできものがある
- かゆみがある
- 痛みがある
- 違和感を感じる
- 臭い
性病リスク・セルフチェックができるサイトもあるので、こういったサイトも参考にしてみてもいいと思います。
参考
「性病リスク・セルフチェック」
https://std-check.jp/
※あくまでセルフチェックなので気になる症状があれば早めに病院に行きましょう
パパ活の梅毒感染に関するまとめ
ここまで、梅毒とパパ活の関係について詳しく説明しました。
このページの重要ポイントをまとめます。
このページの重用ポイント
- 梅毒の初期症状は見逃しやすい
- 梅毒は3つのステージがある
- 20代女性の感染リスクが高い
- 定期的な検査が重要
- パートナー選びは慎重に
- 正しい知識を持つことが大切
- 異常を感じたらすぐに受診
- 保健所での匿名検査も利用可
梅毒は早期に発見し治療すれば完治する病気です。
少しでも不安がある場合は、躊躇せずに検査を受けましょう。
再度このページを読み返して、健康で安全なパパ活を行いましょう。